この記事の【目 次】
アパレル業界全体がコロナ禍で不振に陥り、店舗を持つ小売業が苦戦している最中に。
西松屋だけが確実に売り上げを伸ばしてます。
「アパレル」「子ども服」「小売業」という一般的には三重苦の商売でありながら、2021年2月期には単独税引き後利益が前期比5倍になりそうだという業績発表を行いました。
西松屋は、こんな時期だからいつも店内は、お客様がガラガラ状態に限らわず儲かってます。
なぜなんだっ・・・・?
しかも、店舗数はすでに1000を超え、さらに出店が増加中です。
西松屋の前身は、兵庫県姫路の呉服店「着物の西松屋」です。
同社を率いるのは鉄鋼メーカーの研究者から2代目社長に就任した大村禎史氏(20年8月21日に代表取締役会長CEOに就任)。
1985年に義父の会社をサポートするため西松屋に転職。当時の会社の規模は店舗数30店、売上高30億円程度でした。
1956(昭和31)年に創業した同社は、出産準備品やお宮詣(まい)り衣装を扱う店として設立されました。
社長の大村氏は、鉄鋼メーカーの研究者をしてたので、当時の西松屋は、おそらく当時の日本の小売業ですから、他社と同様に経営手法はアナログ的で、中小企業独特のムダも多かったと感じたことです。
「売り上げ至上主義」は当たり前で「ムダが多い会社」と感じたので、製造業で学んだノウハウを自社の経営に活用していきます。それが、「効率性を上げることによって収益性を高め、売り上げを拡大させる」という、それまでの小売業には見られなかった戦略となります。
その結果、西松屋は直近の5年間も増収を続けています。利益にはばらつきはあるものの、およそ3~5%程度の経常利益率を維持しています。
つまり、売り上げを伸ばし、適切な利益を確保さえできれば、あとは消費者に還元しようと考えています。「顧客満足と効率性の追求」を第一に置いて、売り上げと利益は結果と捉えています。
企業にとって大切なのは、単に規模を追うことではなく、ムダを省き、削った分で商品開発を行い、より安い価格で消費者に商品を届ける発想だと気付かされます。
以上が、西松屋が25年の間に増収を続けている要因です。
西松屋の店舗に行くと、大抵、店内はガラガラです。いつも「空いている」印象です。 お客さんは本当に来ているのか? と心配になるのですが、売り上げは伸びています。
しかも、「顧客満足度」調査(サービス産業生産性協議会)では、何度も「衣料品専門店」分野で1位に。特に、子どもを持つ母親から絶大な人気を誇ります。
店舗はガラガラなのにもうかる理由。それは、同社が徹底的にムダを排除していった結果出来上がった、独自の効率的な店舗づくりにあったのです。
また、西松屋の店舗フォーマットがコロナ禍の繁盛店条件にぴったりあてはまったのです。
店内は主導線(売り場のメインとなる通路)の幅が2メートル程度とられています。通常は、ベビーカー2台が通れる1.5メートル程度の幅なのですが、同社ではベビーカー3台が楽々とすれ違えるほどの広さが特徴です。その分、商品が置けなくなるので、売り上げに限界がでてきます。売上至上主義であれば決してやらない導線計画です。
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